「空気のボール」(平成10年度卒業文集より)
- 公開日
- 2015/03/08
- 更新日
- 2015/03/08
その他
学校に保管されている卒業記念アルバムには、緑ケ丘中学校のいろいろな歴史や逸話が残されています。
当時(開校3年目)卒業記念アルバムの中の卒業文集である生徒が書いた文が目に止まりました。以下に原文の一部を抜粋して紹介します。
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空気のボール
僕は野球部だ。僕はある練習試合で、打席に立った時の感覚を忘れないでいる。
僕はバッターボックスに立った。各塁を見ると全て埋め尽くされていた。スコアボードを見る。差は2点・・・。相手ピッチャーを見て、構えて立つ。1球目、ボールははっきり見えたものの、球の鋭さに圧倒され、振ることさえできなかった。「ストラ〜イク!」・・・。
僕は一度打席を出て素振りを2・3回行い、また打席に入る。2球目、今度は相手の投げてくる手をじっと見て立った。気のせいか分からないけれど、ボールが手から離れる瞬間が見えたような気がした。そのまま、来るボールを見て追いピントがあったところで思いっきり振った。
ボールの当たった感覚はなかった。空振りと思った。空を見上げると小さなボールが浮いていた。ランナーが動き出した・・・?・・・!!。その時、大きな大きな当たりを打ったんだと思った。
「ヤッター」
ボールが当たった瞬間、空気のように軽かった。
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