「日の当たる教室で・・・」(平成9年度卒業文集より)
- 公開日
- 2013/11/09
- 更新日
- 2013/11/09
その他
学校に保管されている卒業記念アルバムには、緑ケ丘中学校のいろいろな歴史や逸話が残されています。
当時(開校2年目)卒業記念アルバムの中の卒業文集である生徒が書いた文が目に止まりました。以下に原文の一部を抜粋して紹介します。
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日の当たる教室で・・・
宮城中学校へ向かう僕の背中に、温かい春の日差しが差した。そうこの瞬間(とき)、僕は中学一年生となった。
そして一年後・・・、僕はあの頃と同じ日差しの中、この緑ケ丘中学校へと向かっていた。思えばこの瞬間、僕の運命の歯車は静かな音を立てて動き始めていたんだ・・・。とても熱心な先生方、そして時には楽しく、時には厳しく、またあるときは一緒に喜びを分かち合った大切な友に僕は知り合った。これは全て偶然なのだろうか・・・?いや、違う。僕はこの人達に会うべくして会ったんだ。そう、まるでこれは運命のようだ。僕の頭の中にはベートーベンの「運命」が流れている。
そして、さらに一年の月日が軽やかな足取りで過ぎ去っていった。僕はついに中学三年生になった。でもこの時の僕には、まだ三年生になったという自覚はなかったんだ。周りでは受験、受験と何やら騒いでいる。しかし、僕には受験という文字が「ジュケン」というカタカナでしか理解できていなかった。そう、この頃の棒はまだ背伸びした子供(ガキ)に過ぎなかったんだね・・・。
夏が終わりに近づいた頃、僕はやっと「ジュケン」という奴を真剣に考え始めた。その結果、今の僕があるんだ。
三年間・・・この月日は一体僕に何の意味があったのだろう。意味があったと言えばあっただろうし、なかったと言えばないだろうね。しかし、みんなに会えたことだけは、僕にとって大きな意味であったに違いないと思うよ。
大人になった時、僕はどうなっているのだろうか?それは誰にもわかりやしない。そう僕自身でさえも・・・。そしてこの三年間も・・・。そう僕は考えているよ。日の当たる教室で・・・
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