勝手にビブリオバトル その41
- 公開日
- 2021/03/11
- 更新日
- 2021/03/11
行事風景
「飢え死にさせると思う?飢えたら私の腕を切って食べさせる!お前は私の子だから・・・。」
今回紹介するのは、ウィリアム・カムクワンバという人物の半生を描いた自伝的な小説「風をつかまえた少年」です。
みなさんは、アフリカのマラウイという国を知っていますか?この国では、異常気象によって干ばつと洪水による食糧危機が繰り返され、アフリカの最貧国ともいわれています。物語の主人公:ウィリアム少年は、食べていくために学費が払えず、中学校を退学せざるをえなくなります。冒頭の言葉は、そんな状況で母親が子供に話した言葉なのです。
こんな極限の状況の中、彼は、NPOがつくった図書館で風力発電について書かれた一冊の本と出会います。電気があれば暗闇と空腹から解放される・・・と、彼は発電の仕組みを自分で学び、廃品を集めて作った風車で発電に成功します。家族や村の危機を救っただけでなく、彼はそこから大きなチャンスをつかむのです。
物語後の彼は、支援者からの奨学金を受けアフリカの大学に進学、卒業後さらにアメリカの大学にも進学して、人々のため、自然環境のためにという志をもち学び続けます。2013年にはタイム誌「世界を変える30人」にも選ばれ、現在はアメリカで祖国のため、世界のために農業、水アクセス、教育など様々なプロジェクトに携わっています。
卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
みなさんに次の言葉を贈ります。
Where there’s a will,there’s a way.(意志あるところに道は拓ける:エイブラハム・リンカーン)