学校生活の様子

勝手にビブリオバトル その9

公開日
2020/05/20
更新日
2020/05/20

行事風景

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 皇居外苑の南東の一角に、騎馬姿の武者像、“楠木正成”の銅像があります。この銅像は、別子銅山を開いた住友家が、開山200年の記念として明治33年7月に完成し献納されたものです・・・が、南北朝時代を勉強した、2・3年生のみなさんの中には、違和感を感じる人もいるのではないでしょうか?

 “後醍醐天皇”を助け鎌倉幕府を倒し、建武の新政に尽力したという点から考えると、この銅像は、皇居の守護神のような意味合いで献納されたのだと思います。
 しかし、“後醍醐天皇”は後に“足利尊氏”と対立し“後醍醐天皇”は南朝、“足利尊氏”は別の天皇を擁立し北朝を築き、50数年間の南北朝時代に突入します。南北朝時代終了後は南朝の勢力は衰え、現在まで北朝側の天皇の血筋が続いていることになります。
 ということは、北朝側の天皇の守護神として、敵対していた南朝側の武将“楠木正成”の銅像が鎮座しているということにもなりますよね?

 今回おすすめする作品は加治将一著『幕末維新の暗号』です。本作品は、「フルベッキ群像写真」に写る、“フルベッキ”(江戸末期に来日した宣教師)とともに撮影された44名の武士がいったい誰なのか?という研究を進める過程が小説となっています。
 写真を1枚も残さなかったと伝えられる“西郷隆盛”の顔は?“楠木正成”を信奉する「楠公崇拝」に動かされる幕末の志士、幕末に暗躍する“フリーメーソン”、44人目の武士の正体は?
 真偽のほどは分かりませんが、作者の史実に裏付けられた推測に、都市伝説好きな社会科教師としては、どんどんはまっていってしまいました。歴史好きはもちろん、都市伝説好きな人にもおすすめです。
 本作品は残念ながら高瀬中学校の図書館には置いてありませんので司書の吉田先生に交渉してみたいと思います。入庫した際にはぜひ手にとってほしい作品です。