美術通信2号「若冲展」
- 公開日
- 2016/06/28
- 更新日
- 2016/06/28
校長室より
美術担当の春里講師が美術館を訪問して取り上げた人は、伊藤若冲。
出かけた先は東京都美術館、4月22日の開催初日に合わせての訪問でした。テレビ美術館や若冲特集番組でも取り上げられたように、繊細緻密な描写と発色の工夫など、若冲の観察眼の確かさや全身全霊をかけた表現の多様さには驚嘆するばかりです。芸術家がまねしようとしてもまねのできない世界、精緻な色使いの植物、生き生きと躍動する動物など、生誕300年を迎えても色あせず、多くの人を魅了する不思議な世界が広がっています。
わずか1か月の企画展に44万人もの人が入場したことからもその人気が窺えます。春里講師は、「隙なし、迷いなし」の描写、「自分の絵を理解してくれる人を1000年待つ」との先進性と自負とを讃えています。
皆さんは、覚えているでしょうか。2013年7月、東北復興支援にと福島県立美術館に「鳥獣花木図屏風」がやって来たことを。生命の輝きと喜びに満たされ、自信と勇気を持っていただければとのテーマで、約2ヶ月間に15万人もの観客を動員して話題になりました。時代を超えて燦然と輝く作品に、癒され、元気をもらったのは私ばかりではなかったと思います。