ちいさな避難民
- 公開日
- 2011/04/01
- 更新日
- 2011/04/01
校長室から
4月1日は、特別な日である。
はつらつとした新入社員の姿が、すがすがしく見える。
新しい人との出会いで、華やぐ一日である。
胸いっぱい、外の空気をすって遊びたい。
普通に水が飲みたい。
風向きを気にしないで生活がしたい。
雨に濡れても平気でいたい。
外で遊びたいと思っているのに、
家の中に閉じこもっている、ちいさな避難民がいる。
これ以上まともにくらせない土地をふやさないでほしい。
今、私が最も捨てたいと思っているものは、
住めなくなった土地なんかではない。
私たちを苦しめた原発である。
見慣れたこの風景が、
気づかなかった幸せな世界だった。
ゲームにも飽きた子どもたちがかわいそうである。
みなさんと早く会いたい。
本校の子どもたちの4月1日は、4月11日である。