雨傘をかりた子
- 公開日
- 2019/02/20
- 更新日
- 2019/02/20
桑野小の今
外は雨になりました。大方の子どもたちが下校し終わったころ、雨がずいぶん強くなってきました。1人の子が、昇降口の外の軒下で心配そうに空を見上げていました。「どうしたの?」と聞いてみると、傘を持ってきていないとのことでした。その子の家は、そんなに遠くないのですが、この雨では家に帰りつくまでにずぶぬれになってしまいます。さいわい、私には、車に余分な傘がありましたので、それをかしてあげました。
傘を手渡しながら、「私には、傘がもう1本あるから、返すのはあとでも大丈夫だよ」と伝えました。
ところが、夕方になって、その子がニコニコしながら校長室の外のところへやってきました。右手には、傘の入ったビニール袋を持っています。ニコニコしながら、その子はお礼を言いました。そして、ニコニコしながら、その子はさよならを言いました。
その子が帰った後で、ビニール袋から傘を取り出してみると、傘はとてもていねいに折りたたまれてありました。きっと、あの子のお母さんが、あの子と一緒に楽しい話でもしながらていねいにたたんでくれたに違いありません。お母さんの温かい気持ちが、あの子のニコニコにつながったと感じました。