学校生活の様子

あたたかい家庭という土づくり

公開日
2017/12/08
更新日
2017/12/08

桑野小の今

 わたしが、以前教諭をしていた時の話題です。
 女の子二人が、「特設陸上の練習に参加できない」と言ってきました。二人とも塾があると言います。そんなこと急に言うことはおかしいなあと思いましたが、とりあえず許可をしました。
 夜、自宅に帰っても、このことが気になっていました。意を決して保護者の方に電話をしました。すると、塾は別の曜日であることがわかりました。保護者の方は、「娘に詳しいことを聞いてみます」と電話を切られました。
 次の日、その子とおかあさんが学校に来られました。「先生、やはり遊びたいからうそをついたようでした。謝りにきました」その子と一緒に頭を下げるおかあさん。その子は目を真っ赤にして泣いています。一通り話をした後、二人は帰っていきました。
 次の日、おかあさんから手紙がきました。そこには、再度の謝罪と母親としての思いがつづってあります。最後には、こう書いてありました。
「車から降りて家に入る途中で、娘が『おかあさんをまきぞいにしてごめんなさい』と言いました。私は、思わず抱きしめてやりました」

 子どもを思う、あたたかなおかあさんであったからこそ、問題から逃げずに真正面から対応されたのでしょう。そして、おかあさんが、この問題から逃げずに一緒にあやまりにこられた姿、言葉より何より親の姿がこの子の心に強く残り、この言葉が自然にでたのでしょう。
 この日のおかあさんの姿は、子どもの心の奥深いところにあり続け、これからの、その子の成長の糧となっていくことでしょうとわたしは思いました。