学校生活の様子

授業研究 11月〜12、1月にかけて 真っ盛り

公開日
2017/12/04
更新日
2017/12/04

桑野小の今

 恥ずかしい話からはじめます。26年前、私は、はじめて小学1年生を担任しました。その日には、毎年行われている研究公開の日。はじめての1年生で、しかも多くの教職員に参観されることもあって教材研究と資料の準備、発問、そして、予想される反応、板書計画などにかなり時間をかけたのでした。授業が始まって15分。あらかじめ計画したように順調に展開していた授業が、次のステップに進もうとした時、「先生、つまんなあぃ!」の声。一瞬静まり返る教室、青ざめるわたし。そして、次々とつまらなそうな顔になる子どもたち。その後の30分。舞い上がったまま空中をさまよう無我の時間となりました。私は多くのことを学びました。採用以来、高学年を担任してきた私は、授業で一度も「つまらない!」と言われたことはありませんでした。というより子どもたちは、教師の授業に、それも研究公開の授業などで「つまらない」など言うはずはないのです。しかし、1年生の子どもたちは、正直に、素直にそれをわたしに伝えてくれたのです。
 それ以来、心の中で「つまらない!」と思っていてもそれを言えずにいる子どもがいる、これが授業を計画し実施していく時のわたしの重要な視点になりました。あの子は、この子はどうのように学んでいるのか、自然に一人一人の子どもの学びの姿に目を配り、心配りができるようになったと思うのです。その意味で「つまんなあぃ!」の叫びはわたしをかえた一言でした。
 できる子は、日常的に効力感を持つことができます。しかし、なかなか理解が遅い子は、教師が意図的に励ましてやらなければなりません。子どもの数が多くて45分の中でなかなか直接的にかかわれない場合には、子ども自身が自分なりに成果を確認できる場をつくってやらなくてはならないでしょう。効力感をもてないままでは、なかなかがんばれないわけですし、やる気がだんだんそがれていくわけです。目の前には、学習に遅れがちな子がいます。その子どもたちも同じ教室で、教師の教えを受けようとしています。どの子にもそこで学んでいることを実感し、どの子にも達成感や充実感、自己存在感を味わえるようにすることは、最大の使命だとわたしは考えます。今後も子どもたちの成長を願って子どもたちにかかわっていきたいと思います。