1-2通信(第54号)
- 公開日
- 2022/03/18
- 更新日
- 2022/03/18
お知らせ
残りわずかの登校日なのに…。地震の影響で学校を休まざるを得ない状況になってしまったみなさんは、無理せず、家庭のことを優先してくださいね。担任も含め、なかなか寝付けなかった人も多かったと思います。お互いに声を掛け合い、何か不安なことがあればすぐ相談してください。
話は変わり、今日は1年生最後の道徳の授業です。一度やってから期待値が高くなってしまい、余計なことをしなければよかったと思いつつ…担任体験談シリーズ第三弾。(一つの授業を作るのに、どれだけ時間を要することか…。自分で蒔いた種です。)
これは、担任が小学校3年生のときに出会った、とある一冊の"絵本"のお話。本を読むのが不得手な少年が、ふとインパクトのある挿絵とタイトルに惹かれます。
「やさしいあくま」
「やさしさ」と「あくま」。童心の中では決して交わることがないであろう2つの言葉。少年の心をぐっと掴みました。
レジ近くの、特設コーナーにひとり立ち止まり、その絵本を読みます。どんどんそのストーリーに惹き込まれ、思わずその場で、まわりの目など気にする余裕もなく、大粒の涙を流したことを覚えています。なんとなく手に取った本にこんなに感動させられたのは、生まれてはじめての経験でした。読み終わったとき、涙を拭った少年は、迷うことなく母に「買ってください。」とお願いしました。母は一言、「いいよ。」と。
ここから先は子どもたちに言いませんでしたが、このとき少年は、どうにかこの本を知ってもらいたくて、当時毎日の宿題だった、読んだ本についての感想を端的にまとめるいわゆる「読書カード」に、一生懸命その内容を書きこみました。記入欄が小さくて全然足りなかったので、ノートを切っては付け足し付け足し、アコーディオンのようにズラーッと書き足しました。その熱意を感じ取った当時の担任の先生は、その本を持ってきてと少年に言い、わざわざ時間をとって、クラスのみんなに読み聞かせをしてくれました。嬉しさと、どこか満足した気持ちでいっぱいだったことを今でも覚えています。
"やさしさ"がどういうものかを、幼心に訴え、考えさせてくれたこの一冊。今でも大事にしています。母に買ってもらった実物を、帰りの学活のときにみんなに見せました。
地震の影響で短縮時程となり、最後少し時間が足りなくなってしまいまとまりが悪かったですが…以上で、今年度の道徳の授業はこれでおしまい。結構いろいろやりましたが、みんなの心には何か思い出に残ってるものはあるかな。
たくさんの選択肢があり、どれか一つを選ばないといけない場面って、生きている上で山ほどありますよね。たくさん答えがあるがゆえに、どれが正しいのかわからない場面も多々あります。授業中、いろんな意見があったように、人の考え方は違います。それを見て、学んで、感じて、自分はどういう選択をするか。先生の道徳の授業は、みんながより○○○○に生きていけるように考える時間だよと1時間目に説明しました。(たぶん覚えていないでしょうね笑)
みんなのこれからの人生のために、ほんの少しでもいいので、何かプラスになればいいなぁと、そう思います。先生の道徳は楽しいと、忖度かもしれないけど言ってくれた方々に、心から感謝です。ありがとう。