勝手にビブリオバトル その34
- 公開日
- 2020/12/17
- 更新日
- 2020/12/17
行事風景
いよいよ2学期もあとわずか、24日からは冬季休業となります。コロナ禍で特別な年末年始を迎えることとなりますが、せめて好きな映画を見に行くことは大目に見てもらおうかな・・・と考えています。
コロナ禍で停滞する日本経済(回復傾向にあるという報道もあるが・・・)の起爆剤となり、もはや社会現象となった「鬼滅の刃」、興行収入一位も目前に迫っています。そこで、今回紹介する本は、小和田哲男監修:「鬼滅の日本史」です。
室町時代の文化を学習する際、御伽草子を取り上げる中で「鬼」が登場します。実際に生物としての鬼は存在していなかったと思いますが、当時の人々にとって「鬼」とは何なのか?という授業を実施したことがあります。これと同じ視点で、この「鬼滅の日本史」は監修されています。
御伽草子の中に登場する「鬼」だけでなく、鬼ごっこや節分の豆まきなど、日本人にとって身近な存在の「鬼」ですが、実際に日本人と「鬼」との戦いは、約1600年前にから続いているのです。「日本書紀」などの正史(政権がまとめた公式の歴史)にも「鬼」の存在をうかがう記述があります。これは情報の定かでない時代、疫病や政権に従わない勢力を「鬼」と記録していたと思われます。
本作品では、歴史上に登場する「鬼」「鬼を倒した英雄」「柱」「日輪刀」など「鬼滅の刃」に登場する人物や出来事などに共通することや「鬼滅の刃」がコロナ禍の日本だけでなく、世界的に注目されている要因にも触れられており、歴史が苦手という生徒にも興味をもって読んでもらえると思います?
図書館に本書を置いてもらいましたので、この冬休みに是非借りてみてください。