勝手にビブリオバトル その32
- 公開日
- 2020/12/02
- 更新日
- 2020/12/02
行事風景
過日、インターネットで、「平将門の首塚の工事」という話題が流れていました。
偶然なのですが、つい最近1学年の歴史分野で「武士の誕生」の話題にあげ、また2学年の地理分野で「東京都心の再開発」の話題となったのが「将門の首塚」です。
反乱を企てた平将門は朝廷軍に敗れ、さらし首となる。その首は怨霊となり、生まれ故郷である東国へと飛んでいき、現在の東京都大手町の辺りで力尽きる。その場所に祀られたのが、「将門塚」です。関東大震災後に大蔵省の仮庁舎を建てたところ、相次ぐ不審死により仮庁舎の取り壊しを余儀なくされたり、戦後にGHQが、この地を撤去しようとしたところ、不審な事故がおこり計画を取りやめたりするなど、数々の“たたり”が伝わっており、現在も不敬にならないように塚の方向に背や尻を向けないよう机や椅子を配置しているとかいないとか・・・。
怖い話や都市伝説は、いつの時代も生徒の興味をそそるようで少しだけ紹介しました。
さて、今回紹介するのは吉川英治著:「平将門」です。
父親を早くに亡くした将門は、将門の領地を狙う伯父に厄介払いされ、京都へ向かい、そこで藤原純友などの仲間と成長していきます。
貴族による貴族のための世、地方で横暴を極める国司。中央政府に不満を抱きながら、ふるさとへ戻るが、そこでも悲劇が…伯父を中心とする親族との戦いで妻子を失ってしまうのです。
伯父との戦に勝利した彼は、一族に「新皇」として担ぎ上げられ、国司を追い出し、新しい国家作りのために関東一円を治めるます。しかし、わずか数週間で朝廷側の軍に討たれてしまい、物語は終わります。
謀反人、反逆者のイメージが強い将門ですが、そのイメージは、時の権力者によって歪曲し現在に伝わっています。本作品は、純粋な、将門の姿を知ることができます。
大河ドラマで現在放映中で、クライマックスを迎えている「麒麟がくる」の主人公“明智光秀”も同様ですが、歴史上のアンチヒーローとされている人物の歴史も知ることで、教科書や授業では学べない幅広い歴史観が養えるのだと思います。
1.2年生は定期テストも終わり一段落しましたが、机に向かう習慣も一段落させてしまってはもったいない!勉強はちょっと・・・という生徒のみなさん、家庭学習の時間+読書の時間で机に向かう習慣を継続させましょう!