学校生活の様子

勝手にビブリオバトル その26

公開日
2020/10/21
更新日
2020/10/21

行事風景

 「東」という言葉を誰かに説明する場合、みなさんはどう説明しますか?
 広辞苑では、1,四方の一つ。日の出る方。東方。⇔西。2,東風の略。3,京都に対して鎌倉幕府の称。4,真宗大谷派(東本願寺)。信徒は「お東」と呼ぶ。5,相撲で土俵の正面から見て左手。また、そちらから登場する力士。6,江戸の劇場内で舞台に向かって右側。大阪では左側を言う。7,深川遊里の称。8,東ヨーロッパの国々の総称。
 など「東」という一文字を説明するだけでこれだけの意味があります。

 自分が小学校の時、一番頭が良かった友達が卒業文集に「愛読書は“辞書”」と書いていてみんなで笑ったことを思い出します。あれから40年近くたった今、やっと彼の言っていた意味が分かります。

 さて、今回紹介する本は、三浦しをん著:「舟を編む」です。
 あらすじを一言で言うと「辞書を作る話」です。
 辞書を作る部署に配置された主人公が辞書1冊を作り上げるなかで、言葉と悪戦苦闘しながら人間的に成長していく話なのですが、アニメ化や映画化もされ、自分は松田龍平主演の映画でこの作品を知りました。

 高瀬中学校では、小・中連携で「伝える力(表現力)」を身に付けさせようというテーマで研究が進められています。今年度はさらにRST(リーディングスキルテスト)を実施し生徒だけでなく私たち教員も受験した上で、読解力の向上につなげようといった取り組みもされています。知らない相手に自分の言葉で分かるように説明する、相手の話の意味を自分の経験値などを活用し理解する。コミュニケーションスキルもこれらが土台になっているのだと思います。

 分からない言葉があると、ついスマホでチェックしてしまう昨今、「愛読書は辞書です!」といえるぐらい見直してみようかと思います。