勝手にビブリオバトル その25
- 公開日
- 2020/10/12
- 更新日
- 2020/10/12
行事風景
みなさんは、渋沢栄一という人物を知っていますか?
そうです、今度1万円札の顔になる人物です。また来年のNHK大河ドラマの主人公でもあります。現在2学年では、明治維新についての授業を行っていますので是非注目してほしい人物です。
今回紹介する本は、渋沢栄一著:「論語と算盤」です。
彼は、明治時代初期、イギリスの商工会議所を視察した際に、日本人の金儲け主義や不義理な商売についてクレームをうけ、非常に恥ずかしい思いをします。ヨーロッパでの視察を通して商業には‘論語’のような道徳性が必要であるという事を学び、帰国後に500近い企業の設立と600以上の社会事業に尽力します。明治維新は、彼の力なしには実現しなかったため、近代日本の父とも言われているのです。
これだけの功績にもかかわらず、日本ではリーマンショック後、ここ10年ぐらいでようやく注目されるようになるのですが、日本よりも早く渋沢栄一の「論語と算盤」に注目した国があります。その国は中国です。現在の発展の影には、この作品の影響があるのかもしれません。経済分野以外でも、論語→チーム力、算盤→個人の技能や成果という見方も出来るため日本ハムファイターズの栗山監督は選手全員に配付し、あの大谷選手も愛読書としてあげるなど、スポーツ分野にも影響を与えています。
中学生には、少し難しい内容ではありますが、部活動や生徒会活動、学級活動に置き換えて考えると良いのかもしれません。
図書室に「渋沢栄一」の伝記を入れてほしいと要望しましたので、入庫した際には是非読んでほしい1冊です。