勝手にビブリオバトル その18
- 公開日
- 2020/07/27
- 更新日
- 2020/07/27
行事風景
一昨年NHKのスペシャルドラマで宮部みゆき著の「荒神」という作品が放映されました。放映前に本作品を求めて読んだのですが、さすがNHKでドラマ化されるということもあり、楽しく充実した内容でした。
時代は、関ヶ原の合戦から100年後の江戸時代、舞台は東北地方、巨大な怪物によって村が崩壊してしまう。たった一人の生き残りの少年を保護した娘と村の用心棒などが半信半疑の中調査に乗り出す。その怪物の正体とは?
時代が江戸時代というだけで、歴史物が苦手という生徒のみなさんにも十分興味をもって読める作品だと思います。
さて、今回の話の中心はここから
「やまたのおろち」や「鬼」「物の怪」「怪物」「妖怪」など歴史の中には科学的でないものの存在が伝えられています。授業でもちょっと紹介したことでもありますが、「やまたのおろち」は、現在の九州地方や中国地方に伝説として残っている大蛇の話なのですが、おそらく、毎年氾濫する川を大蛇になぞらえたものではないか?とされています。今年の大雨や洪水のニュースを見ると関係性を感じることができます。そのほか「鬼」や「物の怪」などは、自然災害や悪政、伝染病の類いをあらわしたものであったりします。この「荒神」の舞台も地形を見ると福島県が舞台では?須賀川市を治めていた二階堂氏がモデルでは?と思われる部分があります。
また、漫画やゲームのストーリーも歴史事象にインスパイアされたものがたくさんあります。是非この夏休み、限られた時間ではありますが、1冊でも多くの本に触れる機会をもち、さまざまな視点から物事を見る目を養ってほしいと思います。