勝手にビブリオバトル その4
- 公開日
- 2020/05/11
- 更新日
- 2020/05/11
行事風景
自分が紹介したい作品は、早乙女貢著の『明智光秀』です。
本ホームページでもたびたび紹介していますが、現在NHKで放映されている「麒麟がくる」の主人公が“明智光秀”です。
自分自身も「麒麟がくる」で取り上げられ、この本を読むまでは、「謀反人」「裏切り者」「築城マニア」といったイメージしかありませんでした。今回この作品を読んで自分自身の歴史観が大きく変わりました。この本は原作ではないので、「麒麟がくる」で今後どのように展開していくのか?どのような“明智光秀”像が描かれていくのか?が楽しみです。
さて、本作品を読み進めると、“明智光秀”が“織田信長”に使え、本能寺の変までの展開がとても早く、あまり“明智光秀”に興味のなかった自分としては「あれ?もう終わり?まだ半分も読み終えてないけど…。」という程度の感想しかありませんでした。しかしそこからの展開で一気に作品に引き込まれ、睡眠時間を削ってしまいました。
“織田信長”が正義か?“明智光秀”が正義か?などどいう薄っぺらな自分自身の歴史観を超越し、戦国時代を収束させるために、“明智光秀”が見据えていた時代感という視点を感じられた作品でした。
時代の本流のみを学んでいる歴史の教科書では、“明智光秀”は本能寺の変でしか出てきませんし、資料自体も他の有名な戦国武将と比べ極端に少なく、現在でも謎に満ちた戦国武将なのです。
歴史を陰で支えた明智光秀の魅力に、みなさんもきっと引き込まれていくと思います。