学校生活の様子

失敗の後が人間をきめる

公開日
2017/01/10
更新日
2017/01/10

行事風景

 3学期のスタートです。 
 勝利しても、失敗しても、それが人間の成長の上に、大きな栄養になるようにと…

 ここで中学生の詩を紹介します。

     母と語る

 夜 母と話をしていました
 母は 静かな声で話をしました
 なんの話かというと 入試のことなのです
 母は 第一志望校に落ちて
 第二志望校の高校へいったそうです
 合格発表があった日
 一歩も家から外へでることができなくて
 泣いていたそうです

 だから世間話などで
 あの子は入ったとか あの子は落ちたとか
 そんな話は いっさいしません
 今になってみると あのときのことが
 物の考え方に ひどく役に立ったといっていました
 心のやさしさの大切さがよくわかったそうです

 いろんな人の気持ち いろんな人の立場が
 少しでもわかるようになったのは
 あのときの体験のおかげだと 淡々と話しました

 母は 受験では失敗しました
 でも やさしさに磨きがかかったのです
 不合格を 冷たい目で見ない母を ぼくは尊敬します

 そのときは悲しかったにちがいありません
 人の目を気にしたかもしれません
 でも 今では 静かな声で 話します

 年月がそうさせたのでしょうか
 人間の気持ちは変わるのでしょうか
 今では それが
 心の強さ やさしさになっているのです

 夜の 母との話は
 たくさんのことを考えさせてくれました
 話のなかみから
 語っている母そのものから・・・・・・

 今夜 母が一番好きになりました
 母を 前より尊敬する気になりました
 母にはいろいろな体験があるのです

 三月に入って 卒業式がすむと
 ぼくの志望校の入試があります
 今夜 母から聞いた話を胸の中にしまって受験します

 人は 長い長い人生を歩いていきます
 その間に いろいろなことがあるのでしょう
 思いがけないこともあるのでしょう
 目の前に迫ってきた 入試
 これだって たくさんのできごとの中の一つのことです
 母みたいに 心の栄養にしていきたいと思います