版画家・森本利根さんから本を贈っていただきました。
- 公開日
- 2015/08/05
- 更新日
- 2015/08/05
行事風景
森本さんからの手紙を紹介します。
小学生のみなさんへ
小学生のみなさんこんにちは。
私は老人の絵描きですが、福島のみなさんに初めての挨拶をおくります。天災とはいえ、この前の大きな地震と津波で、まだ小さい時からとてもつらい大変な目にあいましたが、今ではもう元気になっていると思います。
私も昔、1923年の関東大震災の後に生まれました。まだ小さかったので、記憶はありませんが、そのころ、群馬県に住んでいた父母から、東京の火事が夜空に見えたと、何べんも聞いたことがあります。
人の人生にはいろいろな考え方、生き方がありますが、その誰もがみんな、はじめは子どもだったわけです。
それから次第に成長して学び、大人になってゆきますが、誰もが自分が生きるのに一番いいと思う道をいつも選びます。それからいつの日か社会に出て、それぞれ学問や仕事で、社会に貢献してゆくためには、先に生きた人たちに学ぶことも大切です。その道しるべが本だと思います。いろいろな道、いろいろな世界を知り、自分に力をつけて有用な大人になるために本はとても役立ちます。
それで、皆さんに本を送ることにしました。読んでくださるとうれしいです。
本は大人になっても、私のように老人になっても、いつまでも学ぶ楽しさを与えてくれます。いつまでも明るい希望を持って生きるみなさんの未来の輝きを期待しています。
さようなら。
本は、本校の司書が2学期にみなさんに紹介し、誰でも読むことができるように図書室に展示します。森本利根さん、本当にありがとうございました。
最後に森本利根さんの紹介をします。
森本利根さん:
1923年群馬県生まれ、92歳。美術団体賞、東京都知事賞、文部大臣賞など受賞歴多数。