学校生活の様子

豊かな感性を育てるために

公開日
2018/06/18
更新日
2018/06/18

桑野小の今

 『センスオブワンダー』という本では、著者のレイチェル・カーソンが甥(おい)のロジャーと一緒に、海辺や森の自然の中で過ごした経験をもとに書かれた作品です。子ども時代に感じた美しい自然環境を大人になった時にも残しておきたいと考えられる人に育ってほしいという思いが伝わってきます。本書の中でレイチェルは、
 「もしも、私が、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力を持っているとしたら、世界中の子どもに生涯忘れることのないセンス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目をみはる感性)を授けてほしいと頼むでしょう。」と語りかけてます。さらに、本の中でレイチェルは、こう問いかけています。
 「子どものころは誰でもが豊かにもっている「感じる心」。大人たちは誰もが「子どもたちに豊かになってほしい」と言います。でも、大人たちは、子どもたちと感動を分かち合うようにしているのでしょうか。人工物に夢中になって、自然から遠ざかったり、自然に触れても知識を身に着けることに気を取られたりして「感じる心」を育み、輝かせること。そのために、美しさ、神秘さにあふれる自然に入ってみましょう」
 これは、私たち大人が、ゲームや携帯、テレビから離れて、そんな子どもたちのセンス・オブ・ワンダーを育むことの大切さを投げかけています。
 夕方、耳を澄ますと、草むらに夏の虫の声がする季節となりました。あじさいの色の変化も6月の楽しみの一つです。初夏のにわか雨の後の土や草の香りが広がると、幼いころの思い出と重なる方も多いことと思います。アゲハ蝶に出会ったり、青い羽根のトンボに出会ったりして心躍るような体験こそ、幼い心に鮮明に残るものです。子どもたちの感性もそんなさまざまな自然や生き物たちと一緒に育まれるものだと思います。