学校生活の様子

「助けて」が言える人間関係をつくる

公開日
2018/03/01
更新日
2018/03/01

桑野小の今

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 いじめを解決につなげていくために大切なこととして、いじめにおびえ、じっと耐えている子どもが、「助けて!」と教師や友達の懐に逃げ込める人間関係を築いておかなければならないと私は思います。そして、相談された教師に、子どもの心の痛みを自分の痛みとしてとらえ、何としても解決するという決意が必要だと思います。
 期待どおりに行動するいわゆるよい子を賞賛するだけでは、子どもはなかなか「先生助けて」と声をあげてはくれません。教師の期待通りの成果を出さなければ認めてもらえないと思い、ダメな弱い自分をみせることができなくなるからです。

 不適切な言動を繰り返し、教師をてこずらせる子どもであっても、決して見放さず、「あなたは大切な学校のそして、学級の一員です。あなたの居場所はここですよ」と伝えていくことが必要です。うそをついたり、禁止したことをわざと続けたり、まるっきり学習意欲を示さなかったりしていても、ここには居場所がある先生は見放さないということが分かれば、子どもは勇気をふるって「助けて」と助けを求めるようになることでしょう。
 しかし、勇気をふるっていじめの事実を話したのに、教師から「あなたにも悪いところがあったんじゃない。気にしなければいいのよ。もっと強くなろうよ。」など言われたら、子どもは絶望のあまり最悪の選択をしてしまうかもしれません。いじめられた子どもの心は、どんなことがあっても守らなければならないのです。子どもの話をじっくりと聴き、子どもの心に寄り添い、心の痛みに涙し、心を支えてあげることが必要です。一番弱い立場にいる子どもに心を寄せられなければ、子どもの心の声は届かないのです。
 そして、いじめの問題の解決のために、一番大切なことは、学級内の人間関係を信頼と尊敬に満ちたものにすることです。ありのままの姿を受け入れ、当たり前の行動を認め、子どもたちに「居場所はここにある」と実感できるような学級をつくることです。居場所があるという安心感を得られる学級では、困難なことを克服する力が育ちます。自分の課題を自分で解決しようとする力が育ちます。「助けてほしい」という助けを求められたら、子どもたちの克服力、解決力を信じて全員で「今、何ができるか」を考え、解決に向けて、学級の子どもたちや教職員全員の力を合わせるようにしたいと思います。