学校生活の様子

同窓会での卒業生との会話から

公開日
2018/01/04
更新日
2018/01/04

桑野小の今

 今日 ふみだした一歩が
 明日の二歩目につながる
 一歩 一歩の
 歩みをやめない限り
 めざすところに
 確実に近づいていく

 今日の一歩は
 自分を大きくしていくための
 重い一歩
 記念すべき一歩
 あたらしい自分の歴史が
 今 はじまる


 お正月に、以前受け持った子どもたちの同窓会がありました。当時の面影を残しながら、大人になった彼ら彼女らに接した時、えも言われぬ感激のようなものがあります。
 「先生、わたしのこと覚えていますか?」訪ねてくる卒業生がよく使う言葉です。彼ら彼女らなりの照れ隠しなのかもしれません。もちろん覚えているのですが、わざと「さ、誰だったのかな?」ととぼけてみせます。「またまた!」・・・こんなやりとりを交わすだけで、過ぎ去った時間が埋められていきます。
 先日の同窓会、ある卒業生との会話が始まりました。彼は、在学中から料理人になることを目指していました。それから25年間、音信が途絶えていました。そんなある時、彼が、ひょっこり同窓会に顔を出したのです。最初の店に勤めていた時からいろいろと辛酸をなめ、人生の無常も感じたようでした。そんな彼も一人の子の父親になっていました。小学生の頃からは想像もできないほどの能弁さで一気に語りました。「先生、俺も親父だから、いい加減なことはできないわ。子どもに示しがつかないから」私の心をとらえた一言です。彼なりに人生の中で多くの生きた教育を受けてきたからでしょう。私たち教師がいくら熱く語ったとしても、社会での実体験をくぐりぬけてきた人間の前では、ただのきれいごとでしかありません。
 小学校を巣立っていく子どもたちは、私たちの見えないところで、世の中、地域の人たちや学校の仲間たちに鍛えられながら育っています。そのような子どもたちの育ちをじっくりと見守っていきたいものです。学校をそして教師を訪ねてくる子どもたちがいる限り、私たち教師は心の扉を開けておくようにしたいと思います。