『鳥居きみ子　家族とフィールドワークを進めた人類学者』竹内紘子/著（くもん出版）

人類学、それは、大昔からの人間の歩みを調べ、人類の歴史を考える学問。

明治から昭和時代に活躍した人類学者、考古学者の鳥居龍蔵。日本各地、中国大陸、朝鮮半島などで調査を行い、また、モンゴルや中国東北地方の考古学の基礎をひらくなど、東アジアの人類学と考古学の発展に貢献した人で、図書室にある『ポプラディアプラス
人物事典』にも載っています。

この本は、その鳥居龍蔵の妻、鳥居きみ子の伝記です。きみ子は『ポプラディア』には載っていませんし、これまであまり紹介されることはありませんでした。

しかし、その人生は思いがけない冒険の連続。親に内緒で徳島から東京の音楽学校へ入学しますが、嘘のうわさで退学に。龍蔵の人柄にひかれて結婚、待っていたのは想像以上のきびしい生活。そして、幼い子ども２人を残し、龍蔵とともに誰も行ったことのないモンゴルへ調査に・・！

先週に続き、今年の読書感想文コンクールの課題図書です。

様々な困難にあいながらも、龍蔵への大きな信頼と度胸のよさで突き進んだきみ子の生き方、読んでみてください。