『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』かまど・みくのしん/著（大和書房）

『走れメロス』を読んだことは、ありますか？みくのしんさんは、「人生で一度も本を読んだことがない」32歳。長い文章を読むこと、本そのものに苦手意識があり、「どうせ俺には読めない」と思っていたそう。そんなみくのしんさんが、友人のかまどさんに手伝ってもらい、初めての読書にチャレンジする様子をレポートした本です。

【メロスは激怒した。】

みくのしん：「うんうん。この一文は有名だよね。さすがの俺も知ってるわ。」

かまど：「相槌うちながら読書するんだ。逆に読みにくくないの？」

みくのしん：「ダメかな？このほうが自分のペースで読めるんだけど。」

音読することで自分のペースをつかんだ、みくのしんさん。メロスの行動につっこみ、王様とのやりとりに涙し、どんどんメロスの世界に入っていきます。

【メロスは、ざんぶと流れに飛び込み、】

みくのしん：「ざぶんじゃないよ！ざんぶだよ！何このかっこいい言葉！俺も今度から使おう！」

かまど：「いう使うんだよ。」

みくのしん：「風呂に入るときだろ。」

笑いあり、涙あり、作品のおもしろさ、文豪のすごさ、そして、読書っていいな！を感じる本です。本が好きな人はもちろん、みくのしんさんのように本が苦手な人こそ、ぜひ！読んでみてください。