今朝の「落ち葉掃き」から考えたこと
- 公開日
- 2012/11/13
- 更新日
- 2012/11/13
教科情報
朝のボランティア活動での掃き寄せられた「落ち葉」を見て、童謡「たきび」をつい思い出してしまいました。
1941年(昭和16年)に発表された童謡「たきび」は、昭和世代を中心に日本人が慣れ親しんできたもので、作詞:巽 聖歌、作曲:渡辺 茂によるものです。
かきねの かきねの まがりかど たきびだ たきびだ おちばたき
「あたろうか」「あたろうよ」 きたかぜぴいぷう ふいている
さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき
「あたろうか」「あたろうよ」 しもやけ おててが もうかゆい
こがらし こがらし さむいみち たきびだ たきびだ おちばたき
「あたろうか」「あたろうよ」 そうだん しながら あるいてく
幼少時に口ずさんだことのない方も、聞き覚えのある曲のはずです。この曲が作られた頃はもちろんのこと、昭和40年代頃?はこんな光景をここかしこで目にしたはずです。
歌詞に使われている単語を見ても、「しもやけ」など今の子どもにはまず見られませんし、「しもやけ」が温められることによって、かゆくなるなどもっとわからないことでしょう。でも、そこかしこで「たきび」が見られ、それにあたるかあたるまいか友達と相談する機会が持てた当時の子どもは、知らず知らずに人と人とのコミュニケーションがとれていたのでしょうね。その焚き火にあたれば、近所のおじさんやおばさんとの会話もうまれたことでしょう。着ていたものだって今ほどの防寒性はなく、「たきび」が暖をとるには絶好の「暖房」だったのかもしれません。
元々日本人は、焚き火を晩秋から冬にかけての季節の風物詩と捉え、自宅の庭、寺社の境内、その他の公共の場(昔ながらの趣きで言えば、町内など)の落ち葉や枯れ木の焼却処分を目的に焚き火(落ち葉焚き)を行ってきました。単に燃やすだけではもったいないと考えたため、サツマイモや餅、ミカン、クリの実などをくべて、焼いて食する文化を持っていました。ですから、「たきび」から「焼き芋」の匂いが漂っていたりもしました。
しかし近年日本では、公園や河川敷、海浜など公有地での焚き火行為は管理者(自治体等)によって禁止されていることがあり、勝手に焚き火行為を行っていると管理者に注意・警告されることがあります。また、公有地・私有地を問わず、各自治体によって野焼き・焚き火行為が法律・条令によって制限されていることがあります。これらの規制は山岳等での遭難時や被災等により緊急避難として行うものを想定したものではなく、例えば、自然公園法21条3において「ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為はこの限りでない」としています。これは3.11時に公共の敷地内で暖をとるための焚き火が見られたことでご理解いただけると思います。規制範囲は焚き火の規模や性格によって軽微なものは規制されていない場合が多い。野焼きおよび焚き火に関する現代の規制としては、以下のものがあります。
自然公園法、自然環境保全法、都市公園法、廃棄物処理法、消防法及び火災予防条例
条例による規制、管理組合等による自主規制 です。
こういった規制から、今は「焚き火」という文化は失われつつあります。
うずたかく積まれた「落ち葉」から童謡の「たきび」を思い出し、日本人にとっての「たきび」という文化について考えてきました。
「たきび」も「落ち葉焚き」も俳句では、れっきとした冬の「季語」です。昨今の状況を考えると、近い将来「たきび」も「落ち葉焚き」も「歳時記」から消えてなくなってしまうかもしれませんね。(一部ウィキペディアより引用)文責:真船