学校生活の様子

震災を乗り越えて・・・

公開日
2011/05/13
更新日
2011/05/13

教科情報

 2学年各教室のロッカーの上。1学年の後期にST菊田先生の指導を受け、「そっくりに作る」という目標で取り組んだ「彫刻」の<かぼちゃ>が2年越しで完成していました。
 
 2年越しというのは、卒業式以降にも1,2学年は授業時間がありましたので、そこで(1年生の時に)完成の運びとなっていましたが、東日本大震災の影響により、授業ができませんでした。
 
 また制作途中の<かぼちゃ>の保管場所は、西校舎3階の「特別教室」でしたので、校舎の中でも被害が最も大きい階で、中には落下物で形を変えた<かぼちゃ>もありました。生徒の中には、作りかけのかぼちゃの種を拾うにもあちこちに散乱し、大変な状況で拾い集めていた生徒もいました。つまり、この完成した<かぼちゃ>も制作途中でまさに被災していたのです。
 
 それらの作品を、23年度に美術担当として赴任した後任の丹野先生が、2学年最初の授業で完成までこぎつけてくださいました。クラス替えもあり、進度の違う生徒たちの指導には苦労をおかけしましたが、生徒たちもこの<かぼちゃ>を是非とも完成させようと躍起になって取り組み、完成できたのがこれらの作品です。
 言うなれば、「小さな小さな復興」。でも生徒にとっては、この作品の背景にある様々なものを考えた場合、「大きな大きな作品」となったことは疑いようがありません。生徒たちにとっての2年越しの<かぼちゃ>の完成に、そして「小さな小さな復興」に何となく勇気づけられ、うれしい気持ちになりました。
 
 STの菊田先生、おかげさまで見事な作品ができあがりました。ありがとうございました。                               文責:真船