不揃いの木を組む
- 公開日
- 2010/06/26
- 更新日
- 2010/06/27
校長室より
修学旅行で1300年前に建立された法隆寺の五重の塔を見て、大型重機もない奈良時代にどうやってこんなにも巨大な木を運んできて、どうやってこんなにも美しい建築物を創りあげたのか?
東北中学校長会研究協議会で記念講演の講師を務められた小川三夫 棟梁は、一七歳のこの時、先人の偉大さに深い感動を覚え古代建築の技(古技法)を学びその技を伝え人を育てる人生を歩んでこられました。
「法隆寺の鬼」と呼ばれた法隆寺に仕える宮大工の西岡常一棟梁に弟子入りを断れられ、三年間粘りに粘って弟子入りがかなった小川さんが命じられたのは、一年間ひたすら道具の刃を研ぐ作業だったといいます。(写真2)
それからは、どんなに夜遅くなってもひたすら鉋(かんな)の刃を研ぐ毎日
師匠から後にも先にもたった一回教わったのは、
向こうが透けて見えるほどの均一で見事な鉋くず(数ミクロンの厚さ)と
「これと同じような鉋くずを削れるようにしろ!」というたった一言
それからの
修行時代のお話や
木の性質と不揃いの木をどう生かすかのお話
鵤(いかるが)工舎で弟子をどうやって育てるかのお話
そして、技の真髄のお話
淡々とした語り口の中にものすごい迫力を感じました。
心に残ったいくつかの言葉をご紹介します。